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NANDA-I看護診断の使い方完全ガイド|よく使う診断名一覧と優先順位の決め方【看護学生向け】

2026年4月10日2026年4月20日 更新6分で読める
NANDA-I看護診断の使い方完全ガイド|よく使う診断名一覧と優先順位の決め方【看護学生向け】

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看護診断は、アセスメントで明らかになった問題を「看護の視点」で名前をつけるステップです。NANDA-I(北米看護診断協会インターナショナル)が定める看護診断は、世界共通の看護言語として多くの教育機関で使われています。しかし「診断名が多すぎてどれを選べばいいかわからない」「PES方式で書くとどうなるの?」と戸惑う学生は少なくありません。この記事では、実習でよく使う診断名を中心に、診断の立て方と優先順位の決め方を解説します。

この記事でわかること

  • NANDA-I看護診断の基本構造と3つの種類
  • 実習でよく使う看護診断名TOP20と適用場面
  • PES方式の書き方と診断の優先順位の決め方

NANDA-I看護診断の基本

NANDA-I看護診断は「看護師が独自に判断し、介入できる健康上の問題」を標準化された言葉で表現するものです。医学診断(肺炎、糖尿病など)とは異なり、看護診断は患者さんの「反応」や「リスク」に焦点を当てます。

看護診断の3つの種類

  • 実在型診断:現在すでに問題が起きている状態。診断的根拠(症状・徴候)がある。例:「非効果的気道浄化」「急性疼痛」
  • リスク型診断:まだ問題は起きていないが、リスク因子がある状態。例:「転倒転落リスク状態」「感染リスク状態」
  • ヘルスプロモーション型診断:健康レベルをさらに向上させたいという意欲がある状態。例:「健康管理促進準備状態」
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実習でよく使う看護診断TOP20

以下は、成人看護学・老年看護学の実習で特に頻繁に使われる看護診断です。受け持ち患者さんの状況に合わせて参考にしてください。

呼吸・循環に関する診断

  1. 非効果的気道浄化:喀痰の排出困難、咳嗽力の低下がある場合
  2. ガス交換障害:SpO2低下、呼吸困難がある場合
  3. 非効果的呼吸パターン:呼吸数・深さの異常がある場合
  4. 活動耐性低下:心不全やCOPDなどで日常生活動作に制限がある場合

栄養・排泄に関する診断

  1. 栄養摂取バランス異常:必要量以下:食欲低下や嚥下障害で栄養が不足している場合
  2. 体液量過剰:浮腫、体重増加、心不全による水分貯留がある場合
  3. 便秘:排便が3日以上なく、腹部膨満感がある場合
  4. 排尿障害:尿閉、頻尿、尿失禁がある場合

安全・安楽に関する診断

  1. 急性疼痛:術後疼痛、炎症による痛みがある場合
  2. 慢性疼痛:がん性疼痛、関節痛などが持続している場合
  3. 転倒転落リスク状態:高齢、筋力低下、薬剤の影響などリスク因子がある場合
  4. 感染リスク状態:手術創、カテーテル留置、免疫力低下がある場合
  5. 皮膚統合性障害リスク状態:褥瘡リスクが高い場合(Bradenスケールで評価)

心理・社会に関する診断

  1. 不安:手術前の恐怖、退院後の生活への不安がある場合
  2. ボディイメージの混乱:ストーマ造設、乳房切除などで外見が変化した場合
  3. 非効果的コーピング:ストレスに対する対処が不適切な場合
  4. 知識不足:疾患の自己管理に必要な知識が不足している場合
  5. セルフケア不足(清潔・更衣・排泄・食事):ADL低下により日常生活動作が自力で行えない場合
  6. 睡眠パターンの混乱:入院環境や疼痛により十分な睡眠がとれない場合
  7. 社会的孤立:長期入院や面会制限により社会的つながりが途絶えた場合

PES方式による看護診断の書き方

PES方式は看護診断を構造化して書くための定型フォーマットです。

  • P(Problem):看護診断名(問題)
  • E(Etiology):関連因子(原因・要因)
  • S(Signs & Symptoms):診断指標(症状・徴候)

書き方の定型文は「(P:診断名)は(E:関連因子)に関連した状態であり、(S:診断指標)によって示される」です。

PES方式の記載例

実在型診断の例:

「非効果的気道浄化は、肺炎による気道分泌物の増加と全身倦怠感による咳嗽力の低下に関連した状態であり、湿性咳嗽、粘稠痰の貯留、SpO2 94%、副雑音(水泡音)の聴取によって示される。」

リスク型診断の例:

「転倒転落リスク状態は、下肢筋力の低下、降圧薬によるふらつき、夜間頻尿による暗闇での移動に関連している。」

リスク型診断にはS(症状)はありません。まだ問題が顕在化していないため、リスク因子のみを記述します。

看護診断の優先順位の決め方

アセスメントの結果、複数の看護診断が挙がることがほとんどです。すべてに同時に介入することは現実的ではないため、優先順位をつける必要があります。

マズローの欲求階層説に基づく優先順位

  1. 第1位:生命に直結する問題(呼吸、循環、体温調節など生理的ニードに関する診断)
  2. 第2位:安全に関する問題(転倒リスク、感染リスク、疼痛など)
  3. 第3位:心理社会的問題(不安、ボディイメージの混乱、社会的孤立など)
  4. 第4位:自己実現に関する問題(知識不足、健康管理促進準備状態など)

実習での現実的な優先順位の考え方

マズローの枠組みに加えて、以下の観点も考慮しましょう。

  • 緊急性:今すぐ対処しないと悪化する問題はどれか
  • 患者さん本人の優先度:患者さんが最も困っていることは何か
  • 介入の実行可能性:学生の立場で実際にケアできる問題かどうか
  • 他の診断との関連:1つの問題を解決すれば連鎖的に他も改善する「キー問題」はどれか

看護診断でよくある間違い

  • 医学診断と看護診断を混同する:「肺炎」は医学診断であり看護診断ではない。看護診断は「非効果的気道浄化」「ガス交換障害」など患者の反応を表す
  • 関連因子に医師の指示を書く:「安静指示」は関連因子にはならない。その安静指示が必要な根本原因(例:術後の創傷治癒過程)を関連因子とする
  • 診断名を自分で作る:NANDA-Iの診断リストに含まれない独自の診断名を使わないこと。近いものがなければ最も適切な既存の診断名を選ぶ
  • リスク型と実在型を混同する:すでに転倒した患者に「転倒リスク状態」ではなく「身体損傷」を使う

まとめ:看護診断は「選ぶ」のではなく「導く」もの

看護診断は、アセスメントから論理的に導き出されるものです。診断名の一覧から「なんとなく合いそうなもの」を選ぶのではなく、情報の解釈と分析に基づいて「この問題が存在する根拠はこれだ」と言える状態にしましょう。

看護診断が立てられたら、次は看護計画の立案です。「看護計画の書き方ガイド(OP/TP/EP)」に進みましょう。アセスメントの段階に戻りたい方は「ゴードンのアセスメントガイド」をご参照ください。

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