日勤と夜勤のあいだに
第1話
ごめんねスタンプと、了解の二文字
「今日、会える?」
彼からのLINEを見たのは、勤務交代の15分前だった。私はナースシューズのかかとを踏んだまま、画面を閉じたり開いたりした。
返事は決まっていた。
「ごめんね」
会いたくないわけじゃない。会いたいからこそ、行けない日の返事が短くなる。長く書くと、言い訳みたいで悲しくなる。
彼から返ってきたのは「了解」の二文字だった。
怒っているのか、分かってくれているのか。二文字だけでは何も分からない。けれど、分からないまま深夜の病棟へ戻らなければならなかった。
休憩室でスマホを伏せると、カンゴさんが隣に座った。
「その二文字、怖いなあ」
夜勤中の恋愛は、通知ひとつで体温が変わる。患者さんには落ち着いて声をかけられるのに、自分の恋には全然落ち着けない。
朝、退勤してスマホを見ると、追加のメッセージが来ていた。
「夜勤終わったら寝て。起きたら電話しよ」
たったそれだけで、昨夜の「了解」が少し違って見えた。
「会われへん時間は、恋の敵やない。お互いの『好き』の在庫確認や」Xで引用
カンゴさんはそう言って、金平糖をひとつくれた。私はそれをポケットに入れて、今日はちゃんと眠ろうと思った。
この物語に近い悩み、ありますか?
刺さった一文を、同じ夜勤明けの誰かへ。
Xで共有するこの話、あなたにも近いですか?